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【スタッフ日記】2022年問題?

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今回は2022年問題?のお話です。

■2020年には...(3年後)
2020年には東京オリンピックが1964年以来、56年ぶりに東京で開催される予定です。
日程は、オリンピックが2020年7月24日(金)~8月9日(日)、パラリンピックは2020年8月25日(火)~9月6日(日)に開催される予定だそうです。
ちなみに、オリンピックの開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)が定めるオリンピック憲章には「オリンピックを開く責任は開催都市にある」とあり、「オリンピックは選手の競争。国家の競争ではない」ともあるそうです。開催するのは国ではなく、開催都市であり、開催都市には大きな責任があるわけですが、見方を変えると、オリンピックは東京ねりまを世界にアピールするチャンスですね。オリンピックを契機とした地域の取組みが「まちづくり」につながっていくことを、みどりのまちづくりセンターとしても応援したいです。


■2019年には...(2年後)
2020年の東京オリンピックの直前、2019年には練馬区において「世界都市農業サミット」が開催される予定です。東京23区でもっとも大きな緑被率を誇る練馬区のみどりは、その約20%が農地です(練馬区みどりの実態調査報告書(平成29年3月))。このように、都市の中に農地がたくさん残っているのは、世界的にみても珍しく、市街地(宅地)と農地を明確に区分する土地利用を進めてきたアメリカでは、市街地内に発生した空き地を農地として再生し、食につながる教育や起業などと結び付けることで、コミュニティの強化を進めているそうです。そんな動きが進む中で、練馬区の「都市農業」「都市農地」が世界的に注目されています。


■2015年には...(2年前)
(大幅に略しますが)消費地に近いという利点を生かした新鮮な農産物の供給(農業生産)、身近な農業体験の場、災害に備えたオープンスペースの確保、潤いや安らぎといった緑地空間の提供など「都市農業の多面的な機能」が期待される中で、市街地にある農地保全に対するニーズの高まりをうけて2015年に「都市農業振興基本法」が成立し、2016年に「都市農業振興基本計画」が閣議決定されました。これによって、市街化区域に残る農地についても「宅地化すべき農地」から「市街地にあるべき農地」へと政策が大きく転換されました。
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■1991年に...(26年前)
前項にあった「宅地化すべき農地」とはなんでしょうか。1991年に生産緑地法の改正がありました。
当時はバブル経済、バブル景気と言われた不動産への投資、不動産価格の上昇が起こった時代で、宅地供給促進が特に必要な三大都市圏の特定市においては、農地が「生産緑地」と「宅地化すべき農地」に分けられました。「生産緑地」は固定資産税の農地課税と相続税等の納税猶予が適用され(30年の営農を要件に課税額が変わる)、「宅地化すべき農地」(以下、宅地化農地)は、市街地における宅地という扱いになりますので、宅地化農地で行われる農業は宅地と同じ税金(宅地並み課税)を払って農業をすることになったのです。


■2017年に...(いま)
2017年4月に生産緑地法の改正を含む、都市緑地法等の改正法案が成立し、以下が可能となりました(生産緑地関連を抜粋)。
○生産緑地地区の一律500㎡の面積要件の緩和(一律500㎡から条例で引下げ可能に)
○生産緑地地区内で直売所、農家レストラン等の設置を可能とすること
○生産緑地の買取り申出が可能となる始期の延期(30年経過後は10年ごとに延長可)
○田園住居地域の創設(用途地域の追加)
これによって、都市農業振興あるいは都市農地を活かしたまちづくりという観点から、生産緑地を保全、活用することへの期待が高まりました。また、生産緑地内の農地を賃貸しても相続税の納税猶予の適用が可能になるなどの制度も検討されているようで、明るい話題が増えてきています。


■2022年(5年後)
話の年代が前後しましたが、タイトルの「2022年問題」のお話です。
ここまでに「まちづくり」「都市農業サミット」「都市農業の多面的な機能」「都市農業振興基本法」「生産緑地」「宅地化農地」をキーワードに、都市における農業・農地の位置づけ、まちづくりに期待される都市農業の機能や役割などのお話を進めてきました。つまり、都市農業・農地への期待が年々高まりつつあり、それを受けて生産緑地法や都市緑地法などの法律も改正されたわけです。

そんな中で「2022年」に、生産緑地の営農要件である30年を多くの農家が迎えます。
これを機に、たくさんの生産緑地が宅地化農地となってしまうことが懸念されていました。
これが「2022年問題」の正体です。
でも、どうやら状況はいい方向に向かいつつあることは、これまでも述べたとおりです。

さて、練馬が誇るみどりである「農地」が区内に残ったら、私たちはどうするか。
それがこれから問われます。
農業は農家の生業ですが、おいしい野菜とともに、清々しい空気を生み出し、美しい景観を創出し、心に潤いを与えるなど、農地周辺の暮らしを高める役割を果たしています。
農地が「ある」と「なし」では、暮らしの質は大違いです。
練馬野菜を直売所で買って食べる、練馬野菜で仲間と集う、練馬の農の風景を友達と散歩する、週末は家族で畑仕事をするなどなど、練馬の農を活かす方法は様々です。

みどりのまちづくりセンターでは、さまざまな場面で農やみどりについて考えたり、活動したりする場をつくっています。ぜひ、たくさんの皆さんと考え、行動していきたいと思っていますので、ぜひご協力ください。よろしくお願いいたします。

山口 2017.12.20