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東日本大震災にまちセンができること<所長の日記>
未曽有の大災害から、はやひと月余りが経ちました。犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。また、被災地にご縁をお持ちの方のご心痛もいかばかりかと拝察します。久しぶりに書くこの日記を、こんな言葉で始めなければならないのは、何とも残念です。
まちセンでは、いま、東日本大震災に関して何ができるか、検討し始めています。広域を巻き込む大きな災害に対して、まちセンが今すぐ、直接できることは少ないのかもしれませんが、まちセンらしい取り組み、貢献の仕方が、きっとあるものと思っています。
そのために、当時私も現地に通った、16年前の阪神淡路大震災のときのことを思い返しています。被災後しばらくして、現地の状況が少しずつ明らかになり、アクセスも何とか可能となってきた頃から、特定の地区への救援ラッシュ、調査の殺到、それによって当の被災地が実はずいぶん迷惑し負担となっている、といったことをしばしば見聞きしました。
また東京では、まちづくりの研究者・専門家が提案・提言などを競って打ち出し、「あなたも賛同を!」と署名簿などが飛び交っていました。しかしいま振り返ると、それらの多くは単なるアピールに終わり、被災地で具体的に生かされ感謝されたものは、提案者が顔を見せ汗をかき、現地、当事者の共感を得たごく僅かな例だけだったように思います。
その陰で、救いの手が十分届かない被災者が実は多数いたこと、一過性の取り組みでは対応できない、少数ながら切実な救援のニーズ、復興の課題が次々出現し、それを担って息長く奮闘した地域や専門家がいたこと、そうした経験からの建設的、具体的な提案・提言が、その後の災害の際などに生かされてきたことなども、後年まとめられた各種の報告書、出版物等を見返すと、知ることができます。また、震災に直面した当事者の貴重な証言、体験談を記録したり、そこからまちづくりの課題や教訓を導き出すという重要な作業は、一定の時を置いた後からでないと難しいこともわかります。地域のまちづくり活動や専門家の力は、むしろこういった小さくこぼれがちな問題、時間が経ってから見えてくる課題などの部分でこそ力を発揮し、ひいては練馬区という地域の防災力、まちづくりの力の向上にもつながるのではないか、という気がしています。
今回の震災でも、16年前のような、わかりやすい救援活動や、提案・提言アピールを競い合うように行おうとする動きが、起こりつつあるようにも思えます。しかしまちセンは、「バスに乗り遅れるな!」と浮き足立つことなく、「できること」「すべきこと」を見据えて、被災地、被災者のニーズをよく見極めて取り組みたいと思います。
いま、練馬区でも、光が丘の避難所や都営住宅などで避難者の受け入れが行われています。また、企業の社宅や、個人宅等への避難も相当あるようで、少なからぬ数の避難者が区内に滞在しているようです。そうしたご近所の避難者に支援をしたいというご相談も寄せられています。まずは、こういった区内の避難者への支援にかかわる状況や、その方々のニーズの把握をしつつ、つながりを持つまちづくり団体の皆さんとも協力して、「できること」「すべきこと」を見出していきたいと思います。それは、小さく地味なこと、もう少し時間が必要なことかもしれませんが、できることから動き出したいと思います。







