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【所長日記】復興まちづくり書評

みどりのまちづくりセンター所長小場瀬令二 みどりのまちづくりセンター所長 小場瀬令二 2017.11.20

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実践!復興まちづくり
-陸前高田・長洞元気村復興の闘いと支援 2011~2017-
復興まちづくり研究所編/合同出版
を読んで


復興まちづくりに関わっていない人間が読んでみた。

 太平洋に面した、戸数60戸の漁村集落長洞(=ながほら、岩手県陸前高田市)は、3.11の東日本大震災の津波に襲われ、低地部分にあった約半分の住宅等は完全に壊滅した。そこから7年に及ぶ復興への熱い闘いが綴られている。そのような集落に入って、ボランティアとして、その復興のお手伝いをした「復興まちづくり研究所」のメンバーたちの活躍とともに、地元の方々の底力、他の団体方の応援等々の元気の出る話のオンパレードであり、何とか早期の復興にたどり着いた感動の記録に拍手である。
 多々ある困難の中、杓子定規の行政を批判するだけではなく、粘り強く交渉する中で、集落を復興できたことは、奇跡的といってもよいだろう。そのカギは、コミュニティが崩壊せずに、まとまっていたことの強みである。
 最後に、この復興の経験を踏まえて幾つかの原則をまとめている。
①小さな成功の積み重ね、意思決定は地元で。
②復興まちづくりは、ハードとソフトの一体で。まちづくり計画を持つこと。特に「住まい」、
 「福祉」、「生業」が3本柱である。
③専門家の積極的活用。などである。

 翻って、都市においては日頃からコミュニティの必要が叫ばれながらも、町内会への加入率も下がり続け、各住民が孤立化したままで、近々確実に起こる色々な地震災害に対して、ほとんど丸腰であることを思い知らされる本でもある。木造密集事業や都市計画道路の拡幅等々ハードの事業は取組まれているが、この本の中で「普段できてないことや、やっていないことは、緊急時にはできない」という指摘も都市に住む人間としてはぐさりと来る。個人の利便性ばかりを追求し、コミュニティでの生活を面倒だと後回しにし、公園で子供が遊ぶと煩わしいと役所にクレームを言う都市生活者に、一読を勧めたい本である。

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