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【所長日記】縁起を担いだ「お正月」飾り ―オヤジ・ギャグ満載を笑味しよう―

みどりのまちづくりセンター所長小場瀬令二 みどりのまちづくりセンター所長 小場瀬令二 2018.1.23

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<賀正>
 新年あけましておめでとうございます。みどりのまちづくりセンター、今年も皆様と一緒に頑張りますので、よろしくお願いします。
 子どもの頃から親に『「正月飾り」は大晦日に飾ってはいけない』とよく言われた。なぜだかは探索しないまま、この齢になってしまった。毎年例年通りと言うことで飾ってきた「お正月飾り」を、少し考察してみたくなった。

<正月飾りをいつ飾るか>
 歳の神様をお迎えするために門松を立てる。一夜飾りは、神様をないがしろにしているということで、大晦日に飾るのはNGということで、12月31日に飾るのはよくないと言われている。さらに、旧暦では12月30日が大晦日だったということで、今日でも30日に飾るのはNGという話もある。加えて、12月29日も「二重苦」と言うオヤジ・ギャグの関係でNG。ただし29日については別のオヤジ・ギャグもあり、29は「ふく=福」となるので、むしろ縁起がいいという説もある。これ式で、さらにオヤジ・ギャグで12月19日なども「苦待つ=9松」と言うことでNG。等々縁起を担ぐとけっこう面倒のようだ。今の日本だとクリスマス以降と言うことで、12月26,27,28日あたりが、文句が出ない日なのかもしれない。しかし、本格的な門松をたくさん手がける造園屋さんなどでは、それでは追いつかないのかもしれない。

<門松>
 おめでたいということで、「松竹梅」を飾る。長さの異なる3本の竹を立て、根元は松が固め、その周りを藁で包み、縄で結んである。竹が斜めに切ってあるのは、江戸風。関西は寸胴切が多い。これは、徳川家康が三方ケ原の戦いで負けた武田信玄の首を取ろうと竹を斜めに切る(そぎ落とし)のを好んだということらしい。門松には、松、竹を中心に構成されるが、梅なども入れる場合もある。他に、南天(=難を転ずるというオヤジ・ギャグ)やハボタン(=幾重にも重なりあう葉が、「吉事が重なる」イメージがする)などが、添えられてりする。なお、南天には毒消しの効用がるということで、御赤飯などに飾りに葉っぱを入れたりする。ただし、猛毒のシアンを含むので、食べない方がよい。また、江戸時代はもっと多様な門松があったようである。特に江戸にいる各大名は、他の大名が自分の屋敷の前を通ることから、家の格に合わせて、立派な門松を競って飾ったようである。
 
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『江戸名所図会』元旦諸侯登城之図
大名が元日登城して、将軍に御挨拶で通ることもあり各大名は大きく立派でユニークな門松を飾る。松も竹も丸々1本植えられている。

 門のあるような大邸宅や会社などに飾られている門松は5万円から7万円程度のお値段か。インターネットを見ると「価格はお客様とご相談」と書かれてある場合も多く、庶民には「高値の華(高嶺の花)」である。
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<注連縄飾(しめなわかざり)>
 本格的な門松は無理でも、「注連縄飾」を奮発するお宅も多いだろう。関東地方では図示したものが一般的か。藁で縄を綯うというのが、基本的な考えだが、「熊手」と同様、色々飾り物がつく。

<橙>
 目立つのは、中心のミカンである。単にテレビミカンなのかと思ったら、何とダイダイなのだ。英語名ではビターオレンジと言うように渋いオレンジ(サワーオレンジともいう)。このミカンは、初夏に花が咲き、冬に果実が実る。何と、冬が過ぎても木から落ちず、そのまま2~3年枝についているということで、「だいだい=代々というオヤジ・ギャグ」と呼ばれ、縁起がよい。漢字で「橙」と書くのは、実が木に登ったまま(ついたまま)という意味の字かなとも解釈できるが、この漢字自体は会意兼形声文字だそうだ。鏡餅の上に置く小さなテレビミカンも、正しくは「橙」を置くべきなのかもしれない。

<伊勢海老>
 鯛(タイ)とともにお祝いごとの時に食べる食材である。「磯」で捕獲されるということで、「伊勢」海老というオヤジ・ギャグで命名されている。また、伊勢海老が太く長い触角を振り立てる様や姿形が鎧をまとった勇猛果敢な武士を連想させ、「威勢がいい」を意味する縁起物として武家に好まれた(=立派なオヤジ・ギャグだが)。また、別の解釈もあり、海老は背中から尾っぽが曲がっており、長寿を象徴しているとのこと。今日においては、背中が曲がるというのは余り嬉しくないかもしれないが。

<昆布>
 昆布は「喜ぶ」を連想するということで、これも十分オヤジ・ギャグの類である。ところで、結婚前の結納の時に両家で取り交わす「結納飾」を見ると、やはり昆布があげられている。当て字は「子生婦(こんぶ)」となっており、子だくさんの縁起物ということ。ついでに、「するめ」も、ついているが、その当て字は「壽留女」でこれも子だくさんの縁起物ということらしい。するめは足が長く、日持ちの良い食品と言うことで、「末永く幸せ」な食品のイメージが基本にあるらしい。

<ユズリ葉、裏白、扇子、水引等々>
 ユズリ葉は家督を譲っていけることを祈り、「裏白(うらじろ)」は葉っぱの裏も白いということで、誠実・清廉潔白を象徴するする。神様への自己アピールらしい。「扇子」は末広がりを象徴する。水引きは水で清めるという意味。

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 そんなことで、正月飾りはオヤジ・ギャグの塊のようなものである。ただ、縁起を担ぐことも正月には必要なことであろうから、いちいちけなす必要はないだろう。でも、江戸市中で大名達が、正月飾りを競いあうような見栄を張る必要は、今日、余り必要ないので助かる。家に御年賀挨拶に来る客も無く、家の前を知り合いや友人が通りかかることも無いと、段々このような正月飾りも簡略化されてしまいそうだ。コンビニの自動扉のガラスに印刷された正月飾りを見るだけになってしまうのも、味気ない。年に一度は、御屠蘇気分で「オヤジ・ギャグ」を笑って味わいたいものである。

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