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【所長日記】私達の都市計画の話

 みどりのまちづくりセンター所長 浅海 2018.6.01

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 久しぶりに読み直した本の一節です。

 「私は30年もの間、都市計画のお話をしつづけてきました。私は世の中でこんな大切な、こんな面白いお話はないものだと思っています。然し結局大人はダメでした。大人の耳は木の耳、大人の心臓は木の心臓です。そして大人は第一美しい夢を見る方法を知りません。夢のない人に都市のお話をしたってムダなことです。子供は夢を見ます。星の夢も花の夢も、天の夢も百年後の日本の夢も。それは子供の耳が兎の耳の様に大きく柔らかく、子供の心がバラの花の様に赤くそして匂うからです。子供にお話しする事を忘れていた私は、何という手抜かりをしていた事でしょう。それに第一子供こそ、明日の日本の建設者です。」

 長い引用になりましたが、これは、戦前から戦後にかけて、名古屋や東京の都市計画に携わり、のちに早稲田大学教授となった石川英耀氏が著した中学校教科書副読本の冒頭の文章です。発行は昭和23年です。そして本文では、今昔の世界各地の都市の成り立ちを解きほぐし、都市づくりの目標を説いています。ただし目標と言っても堅苦しい言い回しではなく、「美しい都市」、「健康な都市」、「仲のよい都市」、「楽しい都市」、「歩いて様の足りる都市」。「生産のための都市」、「燃えない都市」など平易な言葉で語っているのです。
 う~ん、しびれますね。かっこいいですね。そこに通底するのは、法律よりも生活を、人が集まって暮らす価値づくりを重視する都市計画へのアプローチのように思えます。
 都市計画というと、専門用語がたくさんで、何か小難しいものだと思われがちです。しかし本当は、私たちの暮らしを心地よく豊かにできる社会を築く方策であり、子供たちと共に語り合い描いていけるものであるべきなのでしょう。しかしそうは言っても、未来のまちを描くのは、簡単なことではなさそうです。私たちは、何を拠り所にして考えていけばよいのでしょうか。石川英耀氏の中学校教科書副読本は、「社会にたいする愛情-これを都市計画という」というむすびの言葉で締めくくられています。理想の社会を思い描く想像力こそが何より大切なことなのだと私も思います。

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