« 前のページに戻る
【報告】まちづくり講座第1回 祭はまちの活力!を開催しました
2010年11月9日(火)のできごと
祭はまちの活力! ~地域の魅力と愛着からまちづくりへの展望を考える

11月9日、練馬公民館にて、第1回まちづくり講座がひらかれ、13名の方が参加しました。
第1回目のまちづくり講座は商店街と祭りに着目してみました。
練馬駅の南口、商店街の中にある大鳥神社は、毎年酉の市で大賑わいをみせています。境内は、熊手を売るお店に明かりが点り、参拝客は、境内をはみだして商店街「おとり様商店街」の通りまでずらり行列をなしています。子どもたちも、屋台で焼きそばを買ったり、ちょっと夜までお祭り騒ぎ。
☆酉の市の様子はこちらからどうぞ
まちセンの、とある1日
さて、そんなおおきなお祭りとともに歩んできたおとり様商店街はどんな様子だったのでしょうか。
商店主から見たまちと祭りの紹介
●おとり様商店会長の小川清一さんのお話
昭和35年に設立された商店街。当時お店は2~3軒ほどしかなかったところ、戦後は東から西へびっしりと人がごったがえすほどだったそうです。「当時の酉の市では、子どもたちが小銭をにぎりしめて、今ではあたりまえに買い与えられていたものを、喜んで買っていた。お正月に次ぐ楽しい日だった」と小川さんは当時を振り返ります。
現在は、月に一度行っている防犯パトロールや、商店街を活性化するためのイベント開催、電柱を地中化して景観をよくする取り組みなど、モノを売るだけの商店街ではなく、『お客さんに安全・安心を売る』ことを大切にしているそうです。
しかし、八百屋さんの店主でもある小川さんは、現在、時代の変化を目の当たりにしています。「物品販売のお店が減って、飲食店ばかりになってしまった」「現在は、スーパーで黙って物を買える世の中に…」「ワンルームマンションが多くなっている。生活環境が変化したことは、商店街にとっておおきな課題」。特に、商店街で主催しているイベントは、その日は集客力につながっても、その場限りになってしまうのが課題だといいます。
それでも、酉の市は、なんといっても知名度の高い行事のひとつ。今後、酉の市という地域の資産を活かしながら、地域のみんなが一緒になって活動して、お互いの理解を深めていくことが、次の商店街とまちのあり方となりそうです。近年では、障害者地域支援センター「きらら」や子ども家庭支援センター「ぴよぴよ」が商店街の中に誕生し、商店会の新メンバーとして、「きらら」はお祭りにも出店しています。小川さんは「これからは、会話のある商店街にしていきたい」と抱負を語られました。
祭りを活かしたまちづくり~都市空間形成、地域運営、観光の視点から~
●首都大学東京 都市環境学部自然・文化ツーリズムコース准教授の川原晋さんのお話
祭りにはそもそもどんな効果があるのでしょうか。「祭りは一過性のものですが、都市空間と祭りの相互作用で、身近な環境の改善につなげたり、新しい人を取り込んで、地域、祭りを舞台にした交流づくりを仕掛けていくことができます。」と、お祭りや観光に研究をされている川原さんが、2つのまちの事例を出しながら具体的にお話をしてくださいました。
1643年から続く福島二本松の提灯祭りは、1日6時間の巡業を3日間にわたって行われる壮大なお祭りです。祭りが盛り上がりを見せる『見せ場』となる場所を調べてみると、道がカギ型に曲がったところに多く、逆に、祭りのために新たにまちを整備する場所もあるそうです。例えば、太鼓台が通れる空間を確保させたり、看板・サインの意匠も、祭りをイメージしているものにしたり…。
「祭りの見せ場とまちの空間の特性を活かし、人の流れを意識するが観光につながる」といいます。
そして、もうひとつの研究対象である鶴岡市山王商店街のナイトバザールの事例では、以前シャッター通りになってしまっていた400m沿いの商店街が、お店の1階スペースを貸し出して行ったバザーや、学生が作成したブックレットをきっかけに、変わり始めているという話。中でも1年に一度、道を広場として使用する『道広場』を実施したことで、分断されていた縦横の空間につながりができたこと、ナイトバザールが好評でデイバザールも開催し、祭りが日常化したこと、その結果、お店とお客さんのコミュニケーションが増えたことなどが成果として挙げられました。
こうした結果を受けて、川原さんは『商店街はメディア』だといいます。商店街が舞台(媒体)となって、様々な人との交流のきっかけになると考えています。
「商人には時間がない!」じゃぁどうする?
お二人のお話を聞いた後、参加者より、「お店を経営している人には、なかなか地域のために時間を裂くことができない」とご意見がありました。確かに、いくらまちの活性化につながるからといって、仕事の傍らイベントを開催することは、大変なことです。
川原さん曰く、「こんなことをやってみたいとアイデアがあっても、場所がなくて困っている人は、意外と身近にいるはずです。商店街の人たちはそんな時、場所を提供できればいいのではないでしょうか。すべて商店街の中でやろうとせず、少しずつ興味のある地域の人にバトンタッチできるといい」とのこと。
古くても新しくても、大きくても小さくても、お祭り・行事・イベントは地域の立派な資源です。みなさんの暮らしている地域にはどんなものがあるか、まずは探してみることから始めてみませんか?そこから、まちの様々な交流が見えてくるかもしれません。
お祭りや商店街が交流の場となり、地域の活性化につながるといいですね。







