第1回まちづくりカフェを開催しました 6/27
投稿日:2008/07/07(月)
カテゴリ:まちづくり講座の報告
6月27日(金)、まちづくりカフェがオープンしました。
ここは、ゲストを招いて、参加者も一緒にワイワイとまちづくりについて語り合う場所です。語りたい方、じっくり議論を聴きたい方、参加の仕方は自由です。
第1回まちづくりカフェのオーナーは、長年にわたってドイツで生活をして、建築・まちづくりの仕事をしている水島信さんです。
水島さんは新潟県出身。大学で建築を学んですぐ渡欧。現地の建築設計事務所で働きながら大学にも通い、ドイツで建築家の資格を取得し活躍しています。現在はミュンヘン在住。ずっと海外で活躍されてきた水島さんの目に、日本のまちづくりはどのように映っているのでしょうか・・・。

(写真1)水島信さんです
区役所19階にて「ドイツのまちづくりって・・・」をテーマに話題提供いただきました。
20名のお客さんが訪れ、テーブルを囲みました。これから地元の役に立ちたい!という方、学生さん、区内在住建築士、デザイナー、栄養士、環境関係の活動をしている方、これから地域の人たちと一緒に公園づくりをはじめようとしている方などさまざまな方がいました。
さて、まず水島さんの、
「みなさんはドイツのまちにどんなイメージをお持ちですか?」という投げかけから・・・
ドイツの街づくりについて、中世の古都市として有名な観光地ローテンブルグや、
ドイツのお城として最も有名なノイシュバンシュタイン城のあるフュッセンを例にお話していただきました。

(写真2)ドイツの街並みなどの写真を映しながら
ドイツの街並みは、
専門家と住民がともに築き上げた「まち全体のビジョン(明確な考え方に基づく原則)」があり、一人ひとりがまちを美しく保つ意識を持ち、自分のまちに誇りを持っています。
そのために
基本的に教会より高い建物を建てない、
広場を建物で囲み、住民の空間を作り出す
屋根のかたちや壁面の色まで細部にわたる規定がある
ことなどすべての人に共通のルールがあります。
さて、実際のまちづくりの場面では、これらの景観やルールを守っていくために、住民と行政が何度も納得がいくまで話し合いを重ね、そうして決まったことは当初用意した予算がオーバーしても実現させます。これは、税金は市民に還元するために使われるべきもの、という考え方に根ざしています。それがドイツの街づくりの一般的なやり方だそうです。車を町に入れない、歩く人優先のまちのプランづくりなど具体的なお話もあり、ビジョンの明確さ・まちの様子が見えてくるようです。
ドイツのまちづくりの話を聞いて、「まちづくりカフェ」は休憩時間もお話が盛り上がっています。参加者の皆さんからも、水島さんに質問や意見が投げかけられ始めました。
Q「ドイツでは、まちづくりの作法をどう培ってきたのでしょうか」
A「ドイツでは、都市国家の時代に、他国の侵略を防ぎ、まちを繁栄させ経済力を高めて他都市に対抗していく必要があった、運命共同体として文字通り命がけで都市をつくり運営してきたという歴史があるのです。個人の“わがまま”を許してしまうと、まちが全滅してしまうかもしれない、そうした中で培われたものだということです。」
では、歴史的背景が違う日本ではどうすればいい?
「民主主義の発展が必要」と、水島さんは言います。
「あらゆる立場の人が納得するようなまちづくりを実現するには日本人の民主主義に対する意識を変えていく必要がある。民主主義は、何でも好き勝手に発言できる「権利」ではなく、きちんとした根拠と理由をもって意見を言わなければならない。時には我を捨て我慢しなければならないという「義務」であること。つまり、よい街をつくりあげていくために、一人ひとりの責任と義務が問われているということです。そして、責任を持って発言するには、知らないことは知らないと言うこと、知らないことをわかったふりをするのではなく、自分の得意な部分、自分が責任を持って言える範囲で語ることが必要ではないか。
たとえば
大事な木が切られそうになったら
↓
木を切らないでほしいとだけ言い続ける
↓
だめだったら自分でも植えてみる
(まず行動に移してみる)
↓
専門家を連れてくる
というように。」
Q「(事例紹介にあった)フュッセンのまちのプランづくりでは、市民と市役所はどのようなやりとりをしたか?」
A市役所は市民と何度でも話し合います。また、ドイツのまちづくりでは、こうやって計画案を変更することは、よくあります。役所の案を市民に説得する話し合いではありません。
Q「ドイツの役所のまちづくりの担当者はどんな人ですか?」
A建築・都市計画の専門家です。日本の行政職員とは、ちょっと質が違います。
Q「まちづくりには、水島さんのような専門家が切り込んでいったほうがいいのでは?どのように行政と一緒にやっていくのか?」
A行政と一緒にやっていくには、まず参考になる事例を示すのが効果的です
Q「日本の人は賛成だと黙っている人が多い?」
Q「子どもたちに好きな道を聞いたりしたらいいのでは?」
など、たくさんのやりとりが活発に行われました。
そして最後のほうで、水島さんからこんなお話がありました。
「ドイツのまちづくりが何でも正しい、優れていると思う必要なんかありません。ドイツのいいところは取り入れて、日本に合うまちづくりをつくっていけばいいのです。
では、まずどうすればいいか? (1)まちを眺めて自分の好きなところを見つける、(2)その好きな風景を邪魔しているものを見つける。(3)邪魔しているものを直したり除いたりするにはどうしたらいいかを考える。このように考えていけばいいのではないでしょうか。皆さんは都市計画・まちづくりというと、新たに何かをつくることと思いがちですが、本来は『都市計画の基本は直すところから』です。」

(写真3)水島さんを囲って、話が盛り上がっています
これを受けて参加者の皆さんの間からはこんなやりとりが・・・・
「でも、例えば表に干された洗濯物を無くすことは無理じゃないかなあ・・・」
「ワタシは洗濯物がなびいている風景、いいと思うなあ」
「え~っ、アレは決して美しいものじゃないじゃないですか」
「そんなことないでしょう? イタリアだって外にヒラヒラ干してるじゃない」
このやりとりを聞いて水島さんは、
「無神経や中途半端なのがいちばんいけない。いいと思ってやっているのなら自信をもってやっていけばいいのです。そうすれば、洗濯物が外にたなびく風景も「これが練馬らしい風景だ」と皆さんが誇れるものになるのだと思いますよ。」と話しました。
日本らしいまちづくりをしていくためには、ドイツの真似をするのはなく、日本のここが好きだ!と思うところを再認識して、大切に守っていくことから始まりそうです。
(おしまい。文責:練馬まちづくりセンター)
→みなさんからの声(アンケート集計)はこちらから





