このページは、2010年10月11日までに掲載した情報です。
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平成20年度 第2回まちづくり講座「環境の世紀、歩きたくなる街・Nerimaの景観を考える」を開催しました。

カテゴリ:まちづくり講座の報告

今回は、東京建築士会練馬支部のコーディネート、Nerima景観まちづくり会議の協力で以下のパネラーの皆さんによる円卓会議を開催しました。歩きたくなる街・Nerimaにしていくためには、どうしたらいいか?といったことについて、活発な意見交換が行われました。

円卓会議パネリスト:
・上野泰氏(ウエノデザイン・城南住宅組合)
・菅沢博氏(白子川源流・水辺の会代表)
・要久美子氏(Nerima景観まちづくり会議)
・浅井葉子氏(練馬区公園緑地課長)
・福井幸子氏(練馬区都市計画課主査)
・久間常生氏(東京建築士会練馬支部・まっぷす)
・中村仁氏(コーディネーター)

まず、コーディネーターの中村氏より、現在練馬区では景観計画の策定に取り組んでいることや、Nerima景観まちづくり会議が練馬区まちづくり条例に基づくテーマ型まちづくり協議会の第一号として活動を行っていることについての紹介がありました。

次いで、Nerima景観まちづくり会議の山本氏より、歩きたくなる街・Nerimaのイメージについて、素敵なイラストとともにご紹介いただいた上で、論点1として、練馬区の骨格となる景観形成に向けた住民と行政の協働、連携のあり方について、論点2として、みどり豊かな生活街路の景観を形成するために、街路に面する住民の意識と行動や、条例などの社会システムをどのようにすれば良いのかという視点が示されました。

その後、パネリストの皆さんによる円卓会議に入りました。
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最初に、上野氏から、生垣の美しいまちとして知られている城南住宅(向山3丁目)で、地域住民(城南住宅組合)が主体となってみどりやまちなみのルールづくりに取り組んでいる事例を紹介していただきました。城南住宅は、共同借地という方式をとって組合が所有する土地を組合員に貸すかたちでみどり豊かな環境を維持してきたのですが、近年は土地を自己所有する形態が増えてきて、その仕組みが有効に機能しなくなってきたことから、組合が環境維持のための基本方針をたて、道沿いの景観形成に限定してコントロールするということを決めて、現在、環境維持指針を検討中であることを説明していただきました。そして、宅地内は私有財産であるという意識から、街路沿いの部分はみんなの共有空間であるという意識に転換していけるかどうかが課題であるとのお話がありました。

つぎに、菅沢氏より、白子川を舞台として活動を続けている白子川源流・水辺の会の活動の取り組みを紹介していただきました。毎年開催している「白子川源流まつり」は、今年も約1000人が参加して盛大に開催されたこと、その他、子どもたちと一緒になって取り組んでいる様々な環境保全活動を紹介していただきました。また、景観との関連では、白子川は大泉井頭公園の湧水を源流としていますが、雨水を浸透させるとか、林・農地・みどりを守るなど、様々な努力をしないと湧水は途絶えてしまい、川は干上がってしまうので、雨水がしみこむ環境を作ることは、土をつくり、景観をつくることにつながるのではないかというお話がありました。

さらに、浅井氏より、平成20年6月に施行された「練馬区みどり愛し守りはぐくむ条例」を紹介していただきました。景観との関連では、特に「みどりの協定」は、苗木を配布して新しく植えてもらうことを推進する協定だけでなく、これからは既存の樹木や生け垣を守るという保全型の協定も目指していること、また、これまで樹林単体、農地単体で保全に取り組んでいましたが、今後は樹林と農地が一体となった「郷土景観」として保全することを検討していることなどのお話をいただきました。さらに、「憩いの森」制度は「清水山憩いの森」が発祥の地ですが、最初に制度があったから実現できたのではなく、カタクリをなんとしてでも守りたいという市民の強い思いと行動があったからこそ、行政が支援し、制度化できたことをお話いただきました。

その後、福井氏、要氏、久間氏からのコメント、パネリスト同士での討議、パネリスト以外の参加者からのご意見・質問をいただきながら、活発な議論が展開しました。
実際の議論では、論点1と論点2について明確に区別するのではなく、両者に共通する内容が多く指摘されました。特に、住民と行政との協働・連携については、以下のことが話し合われました。

・ 白子川源流・水辺の会の場合、活動の実績と会員の方々の強い思いがあったからこそ、行政との連携も築けたのではないか。
・ 既存の制度の壁を乗り越えるには、住民が行政と真正面に向かい合うのでなく、「もの」(=例えば、みどりや水辺の環境など)に対して住民自身が積極的に働きかけ、自ら行動し、それを行政がバックアップしていくという形であればうまくいくのではないか。
・ 行政側も、安全・安心は大事だけれども、ここまでだったら大丈夫、というところまで受け入れる余地ができてきている。
また、ディスカッションでは、景観とはどういうものか、どうあるべきかについて、以下のような意見が出されました。
・ 景観とは、人間の手の加わったものが集積したものではないか。
・ 景観とは、土地の匂いがするもの、生活感が感じられるものではないか。
・ 継続していくことが重要なので、管理面も考慮した景観づくりが大事ではないか。
・ 借景はよくあるが、風景を「貸す」という考え方で、人に見てもらうことを意識してデザインしていくと豊かなものになるのではないか。
・ 都市は、地域ごとにそれぞれの歴史・文化的な背景があり、景観も多様な方向に向かってもよいのではないか。
・ 多様なものがまじりあわないように整理していくのも景観づくりなのではないか。
・ こういう会を開催することで、調和したまちを考えようという人が増えれば増えるほど、よいまちができるのではないか。
・ 広く様々な人と景観について語る場合は、「良い眺め」だったり、「ここっていいね」というような視点が重要なのではないか。
・ 「景観」に代わる言葉を見つけることは難しい。「見晴らし」、「風景」いずれも自分が入っていない。自分の活動も景観の一部だと捉えることも重要ではないか。
・ 「景観」は「環境」や「生活」と密接不可分の関係にあることを、もっとみんなで共有していく必要があるのではないか。
・ 今回は「みどりと景観」が練馬区の特徴・テーマとして打ち出されているが、単に緑が多ければよいという視点だけではなく、市街地化が進む今日の状況で、都市景観を構成する「街並み」や「建築」との関係で緑との「調和ある景観」をどう創造していくかという視点が大切である。

終了後のアンケートでは、このような会を継続して開いてほしい、拡げていって欲しいといった意見や、多様な方の意見が聞けるこのような会の形式も良いという意見が挙げられました。
景観は公共のものではなく、個々の人のものでもなく、みんなの共有のものとして、みんなが意識してちょっとずつ工夫することで、「ここっていいね」というまちになっていくのかもしれませんね。

詳細の議事録はこちらから

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