平成19年度 第3回まちづくり講座「学校と地域社会との新たな関係づくりー学校を中心としたコミュニティ再生について」を開催しました。
投稿日:2007/11/16(金)
カテゴリ:まちづくり講座の報告
今回は、千葉大学教育学部准教授・貞広斎子氏をお招きして、「学校と地域社会との新たな関係づくり」と題して、コミュニティスクールの実践例やソーシャルキャピタル(社会関係資本)(※下記参照)が教育の質に及ぼす影響についてお話いただき、活発な意見交換が行われました。
コミュニティスクールは、地域の方々が主体となる学校運営協議会が、学校のカリキュラムや人事に対して意見を言ったり権限を行使したりすることができる制度。今回、そのコミュニティスクールの一つとして成功している京都市立御所南小学校の事例を紹介していただきました。御所南小学校の校長先生は、なんと12年間も異動していないそうです!普通の小学校は先生が通常3年毎に異動するのに対して、御所南小学校では学校運営協議会の意向を受けて、先生の人事を柔軟に決定できるため、ひとりの先生が長く在職したり、希望に沿った先生を新たに招いたりすることができるとのこと。また、地域の人が運営協議会の取組を本にまとめて販売し、収益を得ているので、学校独自の財源があるというお話もいただきました。
また、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)と教育達成との関係についても話しいただきました。ソーシャルキャピタルとは、「コミュニティ構成員同士のフォーマル・インフォーマルな社会的関係性の緊密さや信頼感の強さが、組織の効率や効果を左右する」という考え方を指すものだそうです(※下記参照)。例えば、経済力が同じ地域間で比較すると、どんな人が住んでいるか知っている、ゴミだしに行った時にあいさつするといった、地域の人のつながりや信頼感がある地域の方が、教育の質が高いそうです。
質疑応答では、
・学校運営協議会の委員はボランティアなの?
・キーパーソンはいる?
・学校開放は行われている?
・人間のつながりの緊密さを高めるには?
などなど、数多くの質問が寄せられました。それらの質問に対して、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。例えば、委員には責任を持ってもらうために時給1000円を出しているそうです。ボランティアは、漠然と声をかけても、ニーズとの合致性、継続性などに問題がある場合があるが、御所南小学校ではボランティアに分かりやすい名前をつけて、明確な目的のもとに募集している、という話も。
アンケートでは、「いろいろな方面に応用できる内容だった」、「新たな面からのコミュニティづくりに参考になりました」、「地域・人とのかかわり合いが教育のみならず福祉や病院など幅広く浸透していくとよいと感じました」、などのコメントをいただきました。
学校と地域社会とのつながり方から、組織のまとめ方、人的資源の活用の仕方まで、地域の人たちがまちづくり関わっていくための方策を、たくさんお教えいただくことができました。
※ソーシャルキャピタルとは:
ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)とは、「コミュニティ構成員同士のフォーマル・インフォーマルな社会的関係性の緊密さや信頼感の強さが、組織の効率や効果を左右する」という考え方を指す。地域の人が信頼しあってつながっていることとも言いかえることができる。例えば、ごみ出しに行ったときにあいさつする、どんな人が住んでいるか知っている、といったことが挙げられる。そういう信頼感やつながりがある地域では、例えば近所の若い子が挨拶せずに通り過ぎても、思春期だからかな、いずれ挨拶してくれるだろう、といったようなプラスの想像が働く。経済状況が一緒の場合でみると、人間関係が親密で、ボランティアといった質的な寄附が多い地域の方が、そうでない地域に比べて地域社会としての能力が高いと言われている。



