いきものまちづくり
第2回 いきものまちづくり 学習会(おまけ)
スタッフによる講義の振り返り
●「自然体験はこどもの健全育成に役立つ?」こどもの頃に自然体験があることが、こどもの健全な育成に役立つ、という話で始まりました。都会では、緑や水などの自然環境が減少している影響もあり、こどもの頃に自然の動植物との関わりを持ったことのある若者が減少しているようです。
環境省の経年調査では、カブトムシやセミなどの虫採りを体験したことがある若者の数が減少しているそうです。しかし、文部科学省のアンケート結果によると、こどもの頃に自然体験がある人には「道徳観」や「正義感」が備わっているとのこと。こどもの健全育成のためにも「自然体験をすることができる環境が少ない」という意識を持ってこの練馬でのいきものまちづくりの取り組んでいきたいとのことのです。
後日調べてみると、日本生態系協会のホームページに「これからの時代は、自然に対する思いやり、そして物を大切にする心がとても大切になります。こうした心は、乳幼児期からの実体験を通して養われています。(中略)身近な生きものと日常的に触れ合い、無駄をしない質素な生活を送るといった、豊富な自然体験や生活体験がやさしい心を育てます。」ということで、こうした感性を持ったこども達を育てていくために保育士さんなど向けに「こども環境管理士」という資格試験を実施しているそうです。「ビオトープ管理士」は聞いたことがあったのですが、こどもの環境教育のためにも資格制度があるのですね。
●「『ビオトープ』って?」
「ビオトープ」という言葉を聞いたことはありますか?
ビオトープとは「生物群集の生息空間のこと。池や小川、湿地、雑木林など、あるまとまりのある景観を保つ空間であって、複数の生物の種が存続できるもの」なのだそうです。
私がこどもの頃「ビオトープ」という言葉を学校で習ったことはなかったのですが、最近10年ほどの間に普通の人でも時々耳にするようになってきた言葉だと思います。参加者の方も、いきものまちづくりに関心がある方が参加されているとあって、「ビオトープ」という言葉をはじめて聞いた人はいませんでした。
いきものにとっては、ビオトープのような自然環境を保全することが最も大切とのことですが、こうした環境をより意識して保全したり整えたりしていくことが特に大切になりそうです。
●生物の生息空間は「まとまり」や「つながり」、「多様性」があることが大切
いきものの生息空間にとっては、「まとまり」「つながり」「多様性」があることが大切な条件なのだそうです。カブト虫を採りに行く時、「あの森にはよくいるよ」という話を頼りに探しにいくことはありますが、これまでいきものが集まりやすい場所、育ちやすい場所についてあまり深く考えたことはありませんでした。
あくまで原則論とのことですが、いきものの生息空間としては、分散しているよりもまとまっていたり、連続したりしている方がよいのだそうです。また、陽が良くあたる場所と当たらない場所の境界部分、木が生い茂った森の中でもぽこっと穴が空いたようにすき間ができた「ギャップ」などに生き物が多く集まるそうです。その他、「乾いた空間」が好きだったり、逆に「湿った空間」が好きな生き物がいたり、さらには小さな隙間がたくさんある「多孔質な空間」に潜む生き物もあったり。この春オープンした東大泉の石庭の森緑地でも隙間の空いた石積みを用意していますが、既にこの新しい石の隙間のすみかを見つけた生き物たちが引っ越してきたかも知れませんね。
●生き物の生息空間には「混ぜ垣」も
まちなかでよくみかける生垣は、その殆どが一軒単位でみると同じ種類の生垣でつくられていると思います。しかし、生き物の生息空間としてはいくつかの種類の植物が混在した「混ぜ垣」の方がよいとのことです。「混ぜ垣」にすると、住宅地では景観的な統一感を損なうのではないかという疑問も出てくるかもしれませんが、一定のまとまった地区でこの手法を採用すれば、逆に「混ぜ垣」の住宅地としての統一感もでてくるのでしょう。以前見たことのある戸建住宅地の中には、庭園風に造られたものとは異なり、自然風な植生を住宅地全体に採り入れているところもあります。
●さまざまな施設でもビオトープの取り組み
「生息空間には多様性が大事ということは分かったのだけれど、自然環境があるところ、大きな敷地や庭があるところでしかビオトープは作れないのでしょうか?」という疑問が首をもたげたところ、さまざまな施設の屋上等でビオトープの取り組み事例が紹介されました。屋上緑化をしているところでも、単にきれいな芝を入れたり花を植えるというだけでなく、ビオトープを取り入れる工夫に取り組まれた話が紹介されました。こうしたところでも様々な生物がやってくるそうです。
このほか、埼玉県にある環境科学国際センターには、自然環境を利用した様々な野外環境学習を行うためのフィールドとしてビオトープ手法により整備された「生態園」というのがあるそうです。一度自分のこどもを連れて行ってみたいなと思いました。
●「生物の生息空間を考える上で重要な用語」
生物の生息空間を考える上で重要な用語として、「サンクチュアリ」「コリドー」「エコトーン」「多孔質空間」「生物多様性」「外来種、移入種問題」が紹介されました。
<ブレイクタイム>・・・「コリドー(:回廊)」はどんな動物の道?
70分という少々長い話の中には、ブレイクタイム必要?講師の岩崎さんから時折ユーモアを交えて話をしてくださいました。
問題:いきものにとっての生息空間が「コリドー(corridor)=回廊)」としてつながっていることは重要なことですが、さて、この「コリドー」はどんな動物たちの道でしょうか?
(ヒント:化かしあいが得意ワザの2種類の動物たちです。)
答えは…こちら


