このページは、2010年10月11日までに掲載した情報です。
練馬まちづくりセンターの最新情報はこちらからご覧ください。

いきものまちづくり

第2回 いきものまちづくり 学習会

1.プログラム

(1) 開会・挨拶           18:30
(2) プログラムの説明        18:33
(3) 講義              18:40
    『生物の生息空間について』
(4) 意見交換と質疑応答       19:50
(5) 連絡事項等           20:28
(6) 閉会              20:30

2.講義 (講師:当センター専門研究員 岩崎哲也)
『生物の生息空間について』

 いきものの生息空間とヒトコトに言っても、何に力点をおいて考えていけばよいのやら分かりにくいと思います。そこで最初に、子どもの健全な育成のために自然体験が必要な根拠や、日本におけるビオトープというガイネンの最新事情、生物の生息空間をつくる際の忘れてはいけないポイントなどをお話ししました。
 つぎに、これから皆さんが活動される際の手法のイメージにつなげていただきたいと考えながら、いきものの生息空間づくりの基本となる、さまざまなコツを整理しました。
 そして、具体的な空間イメージになるように、各地の施工事例を見ていただきました。このうち、特に国土交通省屋上庭園(東京都千代田区)埼玉県環境科学国際センター生態園(埼玉県騎西町)は見学もできるので、よし見学に行こう!という雰囲気ができるかな・・・。


ビオトープとは?
既存のみどりを大切に。ホタルが大事なのではなく、いないという現実の認識が重要。

エコトーン
環境の生態学的移行帯(エコトーン)に注目して生息空間を考える。

身近な2大爬虫類
身近な2大爬虫類。種が違えば、生息する場所の好みも違う。

低茎草本の保全
落ち葉をきれいにしたら、生きられない生きものたちがものすごく多い。

埼玉県環境科学国際センター生態園
埼玉県環境科学国際センター生態園(埼玉県騎西町)

国土交通省屋上庭園
国土交通省屋上庭園(東京都千代田区)

<スタッフの振り返り>
当日の講義の様子を、傍聴した立場から以下に振り返ってみたいと思います。
まず前回欠席された方にも話の流れが分かるように、外来生物の繁殖によって日本固有の生態系が変わってきていることや、外来生物法に指定されている植物に注意しながらみどりをつくっていく必要があるといった、前回の話の振り返りをしました。(第1回の報告はこちらをご覧ください。→ 第1回 いきものまちづくり学習会 報告
今回の講義のテーマは「生物の生息空間(ビオトープ)」についてです。『ビオトープ』は原則として空間的に「まとまっていること」、「つながっていること」、「多様性があること」などが大切であるという話を事例を交えながら紹介していただきました。いきものまちづくりでは、こうした生息空間を如何に街の中で上手に保全したり、創出していくかが重要になってきそうです。
また、「自然体験はこどもの健全育成に役立つ」という調査結果の紹介もあり、都市の中にビオトープがあることは、人間にとっても様々な面で役立つことも分かりました。 (詳細はこちら

3.意見交換と質疑応答

休憩をはさんだあとは、5、6人ずつ3つのグループに分かれて、自己紹介と講義で印象に残ったキーワードを書き出して意見交換を行い、その結果を発表していただきました。

ひとつめのグループでは、庭に自然をつくることをきっかけに良い面・悪い面、双方あるという話が交わされたそうです。
例えば、巣箱を置いて鳥を呼んだりすることは良いが、病気を運んできたらという心配があること、みどりをたくさん植えるのはいいが落ち葉の処理が大変になること、池を作ると生物がたくさん繁殖するのはいいが蚊が発生するという問題があることなど、プラス面とマイナス面があって悩ましいとのことです。

ふたつめのグループでは、自己紹介をしたところ、参加者それぞれにこれまで自然と関わってきた背景は異なるものの、こどもの頃や緑化協力員をしているときのムシ採りの体験、学校などでのビオトープづくりの体験など、それぞれが取り組んできたことにいろいろと共通点があったとのことです。
こうした話を通じて、参加者同士が身近に感じられるようになり、これからの活動をする上でお互い心強くなったとのことです。

みっつめのグループでは、先ほどの講義を聴いて関心を持ったキーワードを出し合い、その理由について意見交換をされたとのことです。
「こども」「虫」「コリドー」「ビオトープ」「多孔質空間」「イケメンのみどりは味がない」「人は人のみにて生きるに非らず」など。「人工物(で囲まれた街)の中で、どうやって(自然的な)デコボコをつくっていくかが大切ではないかという話が浮かび上がってきたとのことです。
きれいなみどりだけではなく、生き物がそこで息づくことができるようなみどりを考えていく必要性を感じ取られていらっしゃるようでした。


<質疑応答>
質疑応答では、ビオトープとして必要な大きさについて質問がなされました。
ビオトープの大きさについて特に規定はないとのことで、石についた苔でもひとつのビオトープになるとのことです。
また、参加者の方からは、学校の屋上で発砲スチロールの箱に入れた稲にもいろんなイナゴや赤トンポなどの生き物がやってくること、また、自宅のちょっとした庭でも水溜まりを作るとトンボやカエル、蝶々などたくさんの生物が繁殖することが紹介されました。特に、こうしたところでは、あまり手入れしすぎず、できるだけ自然にしておいた方が、いろんな生物がやってくるとのことで、参加されている方自らも色んなとりくみと経験を持たれていることがうかがえました。

4.まとめ

「第2回いきものまちづくりの教室」は、6月24日(火)夕方6時30分から16名が参加して行われました。
普段は都市計画や景観を見る立場から「みどり」や「自然環境」というものをとらえていますが、今回のように「いきもの」の観点でまちづくりについて考えてみると、単純にトータルとしての「緑被率」の中にも生き物の生息空間としての質が求められ、よく用いる「機能配置」という言葉についても、景観的な効果だけでなく、生息空間にとってもより適切な配置について考える視野が少し広くなった気がします。
こども達が聞いても非常に興味深い話をたくさん聴くことができました。(小谷)