みどりのまちづくりセンター <地区まち>みんなで地域のまちづくりを

03-3993-5451(直通)

HOME > まちセンの、とある1日> デザインで 気持ちや行動を動かすランドスケープのなるほどテクニック

デザインで 気持ちや行動を動かすランドスケープのなるほどテクニック

猪俣 2021.10.19

これまで恩師から聞いた造園の世界、ランドスケープの世界から、
「なるほど」と感銘したテクニックをご紹介します。
標示したりしないとなかなか伝わらないことも多いですが・・・
だれかがこっそり仕掛けた身近な造りに気づいて、感じて、癒されて見てください~

「なるほど!」1・地形の仕掛けで心安らげる場所づくり 

ゆるやかな下り坂や下を望む風景は、気持ちを落ち着かせるそうです。逆に、上り坂や見上げる風景は、気持ちを高めます。この感性が、茶室や住宅の庭づくり等にも活かされています。(図1、2)

1.png

石神井公園に向かう坂道で、知らずと心安らぐのはそのせいかも...


「なるほど!」2・路の工夫で興味を引く 

『ここぞ、見てほしい場所』を誘導するために、手前を細い道や小さい踏み石にして、その後広場や大きな踏み石をあしらうことで、足を留めてもらうというテクニックがあります。急に開けたところがあると、一息つきたくなる自然な行動を活かしています。(図3、4)

2.png


田柄川緑道の道幅が広がる場所に、見てもらいたいものを置くと、注目の的?


「なるほど!」3・樹木を使ってプライベート感・一体感 

プライベート感演出のために樹木1本で高層ビルくらい大きなものも隠くしたり、一体感演出のために同じ種類や形・色の樹木にそろえるテクニックがあります。

3.png

学園通りの桜は色々な形・色のお店の繋がりを深めている!?


「なるほど!」4・樹木や舗装の工夫で開放感 

遠くのものほど小さく見えたり、視点が焦点に向かっていく原理を使って、遠くの樹木に小さい樹木や細かい葉の植物を配置することで、奥行き感や広がりをつくります。外苑前のイチョウ並木も下り勾配に合わせて、背の高い順に並べられ、絵画館寄りは1m下がっているそうです。

4.png

光が丘の銀杏並木はどうでしょうか?


安心できる場所、交流が生まれる場所づくり
 計画段階、施工段階で人が集まる空間を生み出すことは、とても分かりやすいです。一方、空間のデザインで賑わいや静けさを作り出すことも可能。空間づくりも奥深いですね!

「こうありたいという空間の姿」答えは1通りではない
 「どんな空間にしたいか」で使うテクニックは変わります。例えば、広く見せたいから奥に小さい樹木を配置するのか、プライベート空間を維持したいから大きな樹木を配置するのか。使い方で正反対の造りになることも。最初の目的がとても大事なのですね。

計画的デザインと結果としての形
 屋敷林や棚田のように、暮らしや健康や安全等の機能を考えた時の結果として生み出された形があります。暮らした結果、北風を防ぐ背の高い樹木を北に植えよう。日差し除けに、冬は葉が落ちる高木を植えよう。火事の時延焼しないように、火に強い生垣を造ろう・・・としてできた形。これら先人の営みの工夫は、計画的デザインに活かされていく大事な知恵。今現在の環境に合わせ、そのデザインも伝承していきたいですね。