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【所長日記】屋外公共空間の再評価

 みどりのまちづくりセンター所長 浅海 2020.06.01

4月7日から実施されていた新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が、5月25日に7週間ぶりに全面解除されました。解除されたとはいえ、引き続き3密を避ける生活様式を続けるなどの注意と対応が求められています。センターのイベントも中止や延期、規模縮小等を余儀なくされるものが少なくなく、みなさまにはご不便をおかけしていることを申し訳なく思っています。この戦いには、一人一人の心がけと協力が必須なので、油断することなく力を合わせて乗り越えてまいりましょう。

さてみなさんは、この49日間に起こったまちの光景の変化をどのように見ていたでしょうか。都心の繁華街の人影はまばらになる一方で、自宅周辺を散歩する住人が増え、見慣れた近隣風景の中に人が占める要素が増えました。また公園に出かけると、ウォーキングやランニング、自転車のポタリング、犬の散歩、ボール蹴りやキャッチボール、スケートボード、ゴルフの素振り、楽器の練習、読書、日光浴など、お互いの距離をとりつつ繰り広げられる様々な人間活動が見られました。みんなそれぞれの意思を持って自分流に公園を使いこなしている様子です。このような目の前の光景は、公園活用方法の可能性を探る壮大な市民参加の社会実験のように私には映りました。

まちづくりの重要なテーマのひとつに、まち中のパブリックライフを支え広げる空間づくりがあると思っています。社会的動物といわれる人間が生きるには、自宅のプライベート空間に加えて、他者と連帯して存在していると実感できる公共の場、さらには仲間と交流できる機会や居場所が必要で、その受け皿を用意できる都市デザインが求められます。コロナは私たちに多くの悲しい思いや窮屈な生活をもたらしました。しかし一方で、近隣に存在する公園や街路などの屋外空間の価値と可能性に改めて気づかせるきっかけを与えてくれたとも言えそうです。

パブリックは「公共」と日本語に訳されるのですが、「パブリックな空間」は、公有地だけではなく民有地にも成立するものです。例えばイギリスのパブの語源は、パブリック・ハウスで、まち中の社交場という意味を持っていました。重要なことは、パブリックな場所は、空間整備だけで生まれるのではなく、そこを使いこなす人間と一体となって生まれるということです。自分とまちとの関係への気づきが広がっている今、望ましい公共空間やまちのあり方を改めて考えてみませんか。パブリックライフが豊かなまちはとても魅力的だと私は思うのですが、みなさんはどのように考えますか?

(画像キャプ)1980年にヤン・ゲールが著したパブリックライフのランドマーク的著書"Life Between Buildings"。ここに示された思想をポストコロナ時代にどう引き継ぐか?

200528_Life Between Buildings.jpg

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