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施設の案内・誘導を考える職員研修を実施しました

8月13日(金)、区の職員向けユニバーサルデザイン研修を実施しました。
主に公共施設や道路の整備、管理運営に携わる職員を対象として、
施設のバリアフリー整備に関する知識の向上を目的に、年1回、実施しています。

職員研修のチラシ画像

今年度は、講師に、バリアフリー・UD・福祉のまちづくり等を専門とするコンサルタントの
寺島薫さん、練馬区視覚障害者福祉協会から当事者3名の方をお迎えし、
「視覚障害のある方にもわかりやすい施設案内・誘導を考える」というテーマで学びました。
 
研修は、①講義 ②区役所の庁舎見学と体験 ③グループワーク の流れで実施しました。
 

①講義

まず寺島さんから、ユニバーサルデザインの考え方や、
ニーズをふまえた整備の考え方について講義いただきました。

講座の会場全体の様子。正面奥に、スライドがうつっており、その右に寺島さんが立ってお話をしています。
 
また、当事者の立場から、加藤さん・三好さん・的野さん、
また的野さんの同行援護ガイドを務める阿部さんにそれぞれお話をいただきました。

加藤さんからは、視覚障害のある方が1人でまちなかを歩く時に
手がかりにしているものを教えていただきました。
点字ブロックのほか、お店から漂ってくるにおいや、アナウンスの音声、
建物入り口のつくりの違い(段差か、スロープか)など、
普段歩く場所の様々な情報を記憶して、頭の中に自分の地図を作っているそうです。

また、点字ブロックをどのように使っているか、
会場に仮設で敷いた点字ブロックの上を歩いて実演していただきました。
曲がり角の位置を把握するためにも、点字ブロックの真上ではなく、
片足だけ乗せて歩くことが多いそうです。
実際に歩き方を見せていただくことで、
点字ブロックの左右にスペースが必要だということがわかりました。

T字に敷かれた点字ブロックの、Tの肩のところで立ち止まっている加藤さん。参加者がその周りで見学しています
実演の様子。
例えば、次に左に曲がるはず...という場合には、
どこが曲がり角か気づけるように、右足を点字ブロックに乗せ、
直角に左に分岐する点字ブロックに左足が触れるようにして歩くそうです。


「視覚障害」と一口に言っても、見えにくさは人によって様々です。
三好さんからは、ご自身の例をふまえて
弱視(ロービジョン)の方の見え方について話していただきました。

視野が狭かったり焦点が合わなかったりと、見えにくいことで危険に感じるもののひとつに
階段があります。一色で統一された階段はおしゃれかもしれませんが、
段の境目がわかりづらく危険になることも。
たとえば、段のふちに、はっきりした色がついていると、段の位置が認識しやすくなります。

階段を上から見たときの写真
一色だと段のふち(段鼻)がわかりづらい


的野さんと阿部さんからは、「同行援護」という制度の仕組みや
ガイドの方法についてお話しいただきました。

同行援護の支援内容は移動の支援(ガイド)だけでなく、
代読や代筆・周囲の状況を言葉で伝えることも含まれます。
紙に書かれた文字(墨字)の読み書きが難しい方の代わりに
文字を書いたり読んだりすることが職務のひとつであり、
例えば役所での手続きに同行し、本人の代わりに書類の記入をすること(代筆)もあります。

視覚障害のある方をガイドする時は、案内する方の肩や腕につかまってもらい、
半歩前を並んで歩きます。
肩につかまってもらう場合は一言「進みます」と伝えてから歩き始めないと
案内される側が置いてきぼりになってしまうことや、
狭いところを通るときは縦に並ぶか「カニ歩き」でなど、実演で教えていただきました。

ガイドの方法を説明している様子。阿部さんがマイクを持って説明しています。的野さんが、前に立つ阿部さんの腕を持っています。
狭いところをガイドする時は、腕を後ろに回して縦に並びます


②庁舎見学と体験

グループに分かれて庁舎見学を行いました。
各グループには、当事者の方にもご参加いただき、
一緒に庁舎をまわりながら、案内設備を改めてチェックして回りました。

庁舎見学の様子。東庁舎1階エレベーターホールの整備を確認している様子。
エレベーターと点字ブロックの位置関係を確認
 
庁舎見学の様子。本庁舎2階廊下の、床と壁のサインを確認している様子。
弱視の人の見え方や様々な色の見え方をシミュレーションできる
アプリを使って、サインの見え方を確認


③グループワーク

庁舎見学のあとは、グループごとに
庁舎見学で印象に残ったことや初めて知ったことなどを話し合いました。
見慣れている庁舎の建物も、当事者の方と整備に注目してじっくり見てまわることで、
各グループそれぞれで改めて発見があったようです。

サインの位置や大きさの重要性、見えやすさには照明も関係すること。
点字ブロックを、人や物にぶつからないように、でも遠回りになることなく、
連続性をもって敷かれているかという視点で見てみること。
建物入口にある誘導鈴(ピンポーンと音が出る装置)の音が、
前の道を走る自動車の音で聞こえづらく、
周辺環境と音声案内との関わりを初めて意識したという感想もありました。
 
最後に、寺島さんから、
設計者と当事者が協働で整備を考えた事例についてご紹介いただきました。

こちらの触知案内板は、当初デザイナーから出された案は全く別のものだったそうです。
しかし触知案内板は、全盲(ほぼ全く見えない)の方と弱視の方が一緒に見ることも多いため、
点字をつけるだけでなく、わかりやすい色や文字づかいにすることが
当事者から求められました。
合わせて見やすい高さや角度についても検討され、
結果として色々な方にとって使いやすい案内板になったそうです。

二子玉川ライズで点字ブロックの先にある触知案内板を遠くからうつしたもの 二子玉川ライズの触知案内板の板面をうつしたもの"  
この触知案内板は、二子玉川ライズに設置されています


【参加者からの感想】

・当事者の方の意見を聞きながら庁舎をまわったことで、
これまでまったく気づくことができなかった点に気づくことができた。
・当事者の方から普段の生活や困っていることを聞けて、
今後何に気を付けて業務を行えば良いか参考になった。
・建物の改修等の業務を行っているので
設計の段階からユニバーサルデザインを意識したいと思いました。
・庁舎見学を改めて時間をかけて回りたかったです。
(それくらい、当事者の方と回ることが貴重でした。)
・庁舎内でお困りの視覚障害の方を見かけたら、ただ「ご案内しましょうか」ではなく、
「職員なのですが、ご案内しましょうか」と、
自分が何者かをわかりやすく伝えるようにしたいと思いました。


作る側が当事者の方の意見を聞き、一緒に知恵をしぼることで、
より良いものを作っていけることを改めて教えていただきました。

講師を務めていただいた寺島さん、練馬区視覚障害者福祉協会のみなさん、
ありがとうございました。


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