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令和3年度ユニバーサルデザイン講座(第1回)を実施しました その2

10月3日(日)に開催した第1回の講座の模様をご報告します。
★前半の報告はこちらをご覧ください


川内さんから... 「基準に合っているか」ではなく「平等に使えるか」を考える

前半の最後に、川内美彦さんからお話をいただきました。

川内さんが手元のパソコンを確認しながら話している様子"

川内さんは一級建築士で、ご自身も10代から車いすを使って生活をされています。
1990年代初頭からアクセシビリティやユニバーサルデザインについて発信してこられました。

ユニバーサルデザインは、
アメリカの建築家・工業デザイナーであるロン・メイスによって提唱されました。
1970年代のアメリカでは、車いす使用者専用に設計された住宅が、
その他の人にとっては収納が少ない、手すりが邪魔などという理由で
借り手がつかないという状況があったそうです。
そこでロン・メイスは「特定のだれかのための住宅をつくるのではなく、
そのときどきの体の状況に合わせて住宅のほうが変化していくほうがより良いのではないか」
と考え、日曜大工程度の簡単な作業で戸棚を取り外したり
家具の高さを変えられたりするような住宅を設計しました。
例えば車いすを使う人が住むときには、調理台の下のキャビネットを取りはずして
そこに足を入れられるよう、あらかじめ設計したのです。

その他にも、様々な事例を、写真や体験談を交えお話しいただきました。
「使う人に合わせた環境整備をする」という
ユニバーサルデザイン・バリアフリー整備を考える上で基本となる考え方とともに、
変化する状況に合わせてそのときどきで最適な形を考え続けていくことが大切なのだと、
改めて知ることができました。

2021年の日本では、新しくできる建物についてはバリアフリー化が進んでいます。
しかし、それらが本当に「誰もが平等に使える」状況になっているのか?
基準に合っているからよしとするのではなく、多様な利用者のニーズを受け止めながら、
継続的に改善する仕組みが作れているのだろうか?
講義の中では、そうした投げかけもされました。

後半は、グループで意見交換をしながら
ユニバーサルデザインについて考えを深めるパートとしました。

参加者の方それぞれに考えていただいた「私のプチストレス」や、
前半のお話で印象に残ったことを話し合っていただきました。

グループ1の意見交換の様子を撮影した写真。正面奥に意見を書き留めている模造紙がうつり、その手前にグループ1のテーブル全体がうつっています

様々な話題が挙がっていましたが、どのグループでも
「だれもが平等に使えること」に向けて、
障害のある人を含む多様なユーザーについて理解を深めたり広げたりすることが
まず大切だというところが共有されていたようです。
そして、大きく共通していたのは、
障害のある方と手助けをしたい方・手助けできる方が、
どんなコミュニケーションをとっていけばいいのか悩んでしまうということでした。

最後に、講師のみなさんにコミュニケーションについてコメントをいただきました。

「『困っている人には声をかけましょう』とすると、
困っていることが見た目からわからない人は抜け落ちてしまう。
別に助けようとかいうことではなくて、目的のないコミュニケーションをおすすめしたい」
「今は公共の場でスマホを見ている人がすごく多いけれど、
ぜひ周りを見て、視野を広げてほしいです。
それがお仕事にも、人の関係にも関わってくると思う」
「親切にしていただいたら感謝の気持ちをちゃんと伝わるようにお返したいし、
その気持ちが伝わったことで、またその方が別の人にも何かお声がけをしてくださる。
人と人とのそんなつながりを大事にしたい」
「私自身を理解してほしいというだけではなくて、
自分が社会に何ができるかということも考えたいし、
病気のない人も含めて1人ひとりの困りごとを知り、
解決策を共に考えることが重要だと思う」

それぞれの視点でお話をいただき、閉会となりました。

まとめの時間、講師の方にひとりずつコメントをいただいている様子

今回の講座に参加いただいた方のうち、約半数がお仕事で設計に関わる方でした。
設計業務に直接関わるものというよりは、理念を改めて考えようという内容でしたが、
グループワークの時間が足りないほど活発に意見交換を行っていただきました。

参加者からいただいた感想

・「平等って何だろう」という学びがありました。
・目的のないコミュニケーションを積極的にしたい。日常でできると思えることが増えた。
 「まちづくり」をしたいのに、まちに関心を寄せていないと感じた。
・UDや当事者の方からのお話が聞けて理解が深まりました。ありがとうございました。
・障害のある方に、直にお話をうかがうことができてとても勉強になりました。
・こちらからの「声掛け」の重要性を再認識した。
・とても詳しい、わかりやすい講義でした。
 勉強すればするほど、奥が深い、ということがよくわかりました。


会場での情報提供について

今回の講座では、音声認識アプリ「UDトーク」によるリアルタイム字幕を、
会場のみなさんにも見ていただける形で表示しました。

スクリーンが2つ並び、左側に講義に関する写真、右側にUDトークで音声認識された文字が映し出されている様子

実際に字幕を表示させてみると、聴覚障害者のある方だけでなく、
聴者の皆さんにも聞き逃した言葉を字幕で見るなどして活用いただけたようで
「これぞユニバーサルな講座!」との言葉もいただきました。
今後も、可能な限りこうした方法を使いながら、
様々な方がより参加しやすい講座を開催していきたいと思います。

ご参加いただいたみなさま、講師のみなさま、ありがとうございました。


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